e-春風塾

講師松浦勇太さん インタビュー試行錯誤こそ、プログラミングの醍醐味

 e-春風塾前原校にて、主に中高生講座の講師を勤めている、現在九州大学大学院修士課程1年の松浦優太(ゆうた)先生。ほっしー先生に薫陶を受け、約1年半前から前原校でスタッフとして働いています。今回はそんな松浦先生にお話を聞いてきました。

─松浦先生ご自身は、プログラミングはいつから勉強しているんですか?

プログラミングを本格的にやり始めたのは学部3年の時です。学部1年生の時に一般教養でプログラミングの講座を受けたんですが、その時に自分が構築したものを実際にすぐ見れる、ということに衝撃を受けたんです。それでプログラミング関連のバイトをずっと探していたんですが、コロナの関係でそもそも求人が少なかったり、見つかっても落ちてしまったりして。そんな中で春風塾を見つけて応募して、講師として働くことになり、ほっしー先生に習いながら本格的に勉強を始めました。

─実際にe-春風塾でスタッフとして働いてみて、生徒さんの様子についてはどのように感じていますか?

 そうですね、生徒さんの中にも、飲みこみが速い子もいれば比較的遅い子もいて、色々な子がいるなと思います。飲みこみが速い子は少し教えればすぐに出来てしまうので、本当に賢いなと思って感心します。飲みこみが比較的遅い子に関しては、コードなどを直に書いて教えてもイメージが湧かなかったり、その子の中で納得できてなかったりするんだと思うんですよね。それに対しては、例えば紙に書いてコードの仕組みがどんなふうに動いているのか、というのを一個ずつ動かして理屈を教えてあげると、挙動を把握して理解してくれます。そういうふうに、生徒さんによって教え方を変えるというのは心掛けていますね。

 僕自身、裏側を知りたい系の人間で、疑問が残るのが嫌なんです。どうしてこうなるのか、筋道が分からないと解明したくなるんですよね。だから生徒にもちゃんと理解してほしい、という想いがあるので、飲みこみが遅い子に対してはむしろ「絶対に教えてやるぞ!」みたいな感じで燃えますね(笑)。プログラミングだと例えばfor文とかif文とか、基本的な要素がいくつかあるんですけど、そういったものを一個ずつ習って、習得したらすぐ次の要素を習うんです。そして次の段階を習う時に、前に習った要素が必要になってくるので、生徒さんが前の段階で習ったことをちゃんと出来ているのが教える中で目に見えて分かって、成長したなぁ、と感じて達成感があります。

─松浦先生はプログラミングをほっしー先生に教えてもらったということですが、ほっしー先生についてはどのような印象を持っていますか?

 教えてもらい始めた当初は本当にプログラミングに関しては何も分からなかったので、めちゃめちゃ凄い先生だな、と思っていました。競技プログラミングでも高レートで、どうやったらこんな風になれるんだろう、と漠然と凄さを感じながら勉強していたんです。でも勉強していくと、自分も少しずつある程度理解できるようになっていって、だからこそよりほっしー先生の凄さが分かるようになっていきました。自分が競技プログラミングでもある程度の順位が出せるようになってきたり、プロダクトとして一つサービスを開発したりという経験をすることで、ほっしー先生の知識の深さとか、そういうものが感じられるようになってきて。もっと頑張らないとな、って思いますね。今でも自分の目標です。

─インターンとしてプロトタイプのサービスを開発したというお話でしたが、どんなサービスを作られたんですか?

 西日本新聞さんから、社内用のアプリケーションのシステムの効率を改善したいので、そのプロトタイプを一緒に作ってみないか、とお話を持ち掛けていただきました。それがプロダクトを作った初めての経験です。

実際に向こうの担当者の方とミーティングを重ねて、システムを作りました。春風塾で働いてきた中で、やっぱり一番印象に残っている経験でもありますね。

─どういったところが印象強かったのでしょうか。

 競技プログラミングはどちらかというと、科目としての「数学」に近い感じで、数学は大学受験で沢山経験した分、障壁も小さかったんです。しかし、開発となると知らない知識が多すぎて。最初の頃はデータベースなどの裏側との連携方法や、フレームワークの上でプログラムを書いていくための挙動を新しく勉強する必要があって、最初の1、2か月は本当に行き詰りましたね。Youtubeを使って動画を見ながら、それと全く同じに作っているはずなのに変なエラーが出て止まるっていう現象がたくさん発生して…当時はどうしてそのエラーが起きているのかも分からなかったので。

 でも逆にそこで行き詰ったことで、今になるとどういった部分でエラーが起こるのか推測できるようになったり、エラーが起こった時にどんなふうにデバッグしたら良いのかも考えられるようになったりしたので、開発の仕事は良い経験でした。

 その開発経験もあって、サマーインターンで企業さんで開発する機会があったんですけど、企業さんでの開発はチーム戦ですから、自分が知らない知識や開発手法が沢山あったんです。それを通して、大きい企業でエンジニアとして開発するのってすごく面白いなと感じました。僕は技術が好きすぎるところがあるので、探求していきたいんですよ。プログラミングってフレームワーク一つ取っても、言語一つ取っても、データベースとの連携一つ取っても、数えきれないくらい技術があるんですよね。企業は様々なサービスを出していて、そのサービスごとに使っている技術が違う。それを転々として色々触って制覇してみたいなって思います。

 技術って移り変わりも速くて、1年2年で、今まで習ってきたことが意味を持たなくなるくらい革新的な変化が起こったりするんですよ。例えば生成AIとか、動向が速すぎて。そのたびに新しいものをキャッチアップしていかないといけない。でも僕は新しい技術に触れるのが好きで心が躍るので、それを探求していけたら良いなって思いますね。

─ありがとうございます。ご自身の展望についてもお話していただきましたが、春風塾の講師としては、今後将来的にやってみたいことや目指していきたいものはありますか?

 そうですね、僕は比較的レールに乗ってスムーズに大学まで進んだんですけど、逆に自分がやりたいことを真剣に考える機会が少なくなってしまったんです。でも社会に出て幸せになるためには、自分がやりたいことをやるのが一番だと思います。だからそういった自分のやりたいことを考えたり、見つけたりする機会を小さい頃から少しでも、生徒さんに与えてあげたいです。それが生徒さんにとって将来の幸せになると思うんですよね。

 自分のやりたいことが分からなくても、それを考え続けたり、自分に問いかけたりしていくうちに、なんとなくでも見つかるんじゃないかなと思うんです。個人的には、人と比較するよりも自分がやりたいことをやっているのが一番幸せですし。だから生徒さんには、プログラミングに触れることで、今楽しいことを追求して考えることができる機会を提供していきたいです。

違うな、合わないなと思ったら辞めても良いと思うんですよ。少しでも良いなと思ったものを「やってみる」ことが大事。僕自身、先ほど話した企業とのプロトタイプ開発の仕事も、元々は記事を書いてみないか、というお話だったんです。でも僕は文章を書くのがめちゃくちゃ苦手で(笑)、無理だろ、と思いながら一応お話だけ聞いてみたら、開発の仕事をいただけたんですよね。こんな風に思わぬところで案外良いものが落ちていたりするので、「やってみる」ことを続ける中で、楽しいと思えることを見つけられたら素敵だと思います。今一番楽しいことをその時その時に追求していけば、他のことをしていてもそれが生きてくることもありますし。

─松浦先生、ありがとうございました!

取材&記事制作 ゆずか記者(保坂柚花 九州大学文学部2年)

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