e-春風塾では、マイククラプログラミングにおいてブロックコードを利用してプログラミングの基本的な知識・技術を培うと共に、マイクラ編終了後はコンピューター言語C#を用いて競技プログラミング選手の育成にも力を入れています。
競技プログラミングとは、提示された問題に対し、それを解決するプログラミングを書いて、掛かった時間と正答率を競う競技のこと。e-春風塾ではマイクラ編終了後さらに「情報講座」を修了した生徒さんを主な対象に、AtCoderやHaruCoderというサイトを利用して競技プログラミング指導を行ってきました。
HaruCoderについて開発者/基幹講師のほっしー先生に詳しくお話を聞いた記事がありますので、そちらもチェックしてみてください♪↓
そしてこの春、e-春風塾は、競技プログラミングに取り組む生徒さんの新たな目標として、「日本情報オリンピック」、通称「情オリ」への出場を掲げました。
「日本情報オリンピック」とは、日本の高校生以下の生徒を対象に、競技プログラマーの日本一を決定する大会です。情報科学的な問題を解決する能力の豊かな選手を見つけ出すことを目的とし、優良成績者は国際情報オリンピックに派遣されます。
日本情報オリンピックホームページはこちら↓
情報オリンピックは、一次予選・二次予選・本戦の三段階。参加者は年々増加しており、昨年には3000人を超えたそうです。一次予選の審査基準は、制限時間80分以内に問題を解き、その正答率が一定の基準を満たしていること。400点満点中、300点以上獲得出来た選手が、二次予選に進むことができます。
参加者のうち、例年6~7割程度の選手が一次予選を通過。二次予選ではそれが約200人までに絞られ、本戦では更に20人にまで絞られます。本戦の上位20人が、国際情報オリンピックのための強化合宿に参加することができ、その中での上位4人が、日本代表として国際情報オリンピックに出場することができるのだそう。本戦を通過するだけでも倍率150倍の大会、狭き門、という言葉じゃ言い表せないほどシビアな戦い…!e-春風塾では、まずこの一次予選突破を目標に掲げて行きます。
講師の星出先生(以下、ほっしー先生)は、「現在AtCoderやHaruCoderに日頃から取り組んでいる生徒さん達は、既にみんな一次予選を突破できるほどの実力を持っている」のだと言います。
ほっしー先生「情オリを目指そうって決まってから、過去問を生徒さんに少しずつ解いてもらっているんですけど、情報講座を一通り終えてHaruCoderをやってる生徒さんは基本的にみんな300点取れているんです。だから、行けるんじゃないかなと。挑戦する価値は大いにありますよね。」
そもそも「情オリ」に参加するのは、競技プログラミングの知識と技術を持った実力者ばかり。そんな選りすぐりの3000人のうちの上位6~7割に食い込めると考えれば、e-春風塾の生徒さんはかなりの実力を身に付けていると想像できますね。
ところで、なぜこの春から「情オリ」出場を目標とすることに決めたのか。ほっしー先生は、「実績を作り始めようと考えられる段階になってきたから」と語ります。
ほっしー先生「これまでは、生徒さんたちは実際どこまで出来るんだろう、というのを色々試している感覚だったんですけど、それが何となく分かってきて。これだけ出来るなら大会にも出れるし、外部へ向けた実績作りも出来るな、と感じたんです。」
ほっしー先生「プログラミングに触れて、ちょっとコードが書けるようになりました!とか、AtCoderでこれだけのレートを取りました!とかよりも、大会でここまで進出しました!という方が、実績としては分かりやすいかなと思って、目標の設定に至りました。レートはAtCoderを知っている人にしか伝わらないですし、書けるようになった、と言っても、実際身に付いている実力としてはどこまで到達しているのか、外部の人には伝わりにくいですよね。それよりは、目に見える成果として本質を突いたことをやりたいなと思っているんです。」
ほっしー先生「それから、プログラミングってどうしても一人の作業だから、ついつい内側に閉じて行ってしまうんです。途中で自分が何をやろうとしているのか、分からなくなるというか。だからそうならないためにも、大会出場という外に向けた活動をしていくことで、一つの刺激になったら良いなと思っています。
こうして新たな目標を掲げ、更なる躍進を目指すe-春風塾。「情オリ」についてほっしー先生は、「2次予選通過まで本気で目指す生徒さんが出て来たらとても嬉しい」とも語ってくれました。生徒さんの今後の活躍が一層楽しみですね。
取材&記事制作 ゆずか記者(保坂柚花 九州大学文学部3年)
(取材日2025.4.29)