e-春風塾

刺激たくさんの高専生活 「楽しんでやる」活動の基盤に

 皆さん、「高専」という言葉を知っていますか?「高専」とは高等専門学校の略称。文部科学省では、「実践的・創造的技術者を養成することを目的とした5年一貫の高等教育機関」と定義づけられています。工学系の学科を中心に、より専門的な学びができる学校です。プログラミングを学んでいる人にとっては、進路を考える上での大きな選択肢の一つなのではないでしょうか。

 しかし、「実際高専って何するの?」「高専の受験って大変そう…」そんな疑問や不安を抱えている方は多いはず。そこで今回、e-春風塾での学びをきっかけに高専を目指し、見事、2025年から久留米高等専門学校に入学した、堀川海凪(ほりかわかいな)さんを直撃。高専受験に至るまでの努力や、現在の高専生活について、お話を聞いてきました!

―高専を目指すことになったきっかけは何でしたか?

「両親とe-春風塾の先生から、進学の選択肢として高専というものがある、という話を聞いたのが最初のきっかけです。そこから詳しく調べてみて、興味を持ちました。でもいわゆる普通の高校生活を送るのに憧れがあったので、かなり悩みましたね。最終的には自分の学習したいことが専門的に学べるのが良いなと思って、受験を決めました。中学3年生の夏休みが終わったタイミングだったと思います」

(画像上:春風塾でC#に取り組む、当時中学3年生の海凪さん)

―決め手はなんだったんでしょうか?

「僕は住んでいる場所が久留米から遠いので、どうやって通おうかと考えていた時に、久留米高専が寮を持っていることを知ったんです。親元を離れて生活することになるので、自分を自立させることにおいてアドバンテージになるかなと思ったのが決め手でした」

―一人暮らしは大変ですが、自分の成長になりますよね。受験に向けて取り組んだ中で、大変だったことはなんですか?

「情報が少なくて、どう勉強したら良いか分からなかったのが大変でした。高専に通っている先輩に聞いてみても、『とにかく過去問を解け』としか言われなかったんです。そんなこと言っても対策本とかあるんじゃないの?と思いつつ、過去問を解いて対策していましたね。それから、久留米高専の問題は全部マークシートなんですが、最初の方の問題を間違えると、後々の問題も間違えてしまうという作りになっていることが多いんです。しかも、一問一問の配点が3~4点とそれなりに大きくて。僕はケアレスミスが多かったので、ドミノ倒し的に答えを間違えてしまうことが多く、なかなか点数が伸びずに苦労しました」

―大変でしたね…。でも、それを乗り越えて今の高専生活があるということですね。その合格に向け、どんな風に対策に取り組んだのか教えてください!

「過去問を何周も解いて対策しました。学校や塾の授業が終わって自習の時間が増えてからは、その時間を過去問演習に当てたりして、とにかく解いていました。問題の形式やひらめき方が頭に入っているかの勝負だったなと思います。『過去問を解け』と言われたのは間違いじゃなかったなと(笑)。その甲斐あって無事に久留米高専に入学することができました」

―努力が実を結んだ結果ですね!実際に入学してみて、どうですか?

「授業は進むペースがかなり速くてついて行くのが大変ですが、なんとか頑張っています。クラスには頭が良くて、面白い考え方をする人が多いなと感じます。自分と同じくらいのレベルの人たちが集まっているので、たくさん刺激を貰っていますね。毎日楽しいです」

―今でもプログラミングは続けているんですか?

「はい。プログラミングラボ部に所属していて、競技プログラミングをやっています。競プロ自体はe-春風塾に通っていた頃からやっていて、その延長で続けている感じです。でも、競プロを活動のメインにしている生徒が僕のほかに1人もいなくて、ちょっと寂しいですね(笑)。ただ、大会はチーム戦が多いので、友達を巻き込みながら活動しています」

―大会にも出場しているんですね。活動の中で、e-春風塾に通っていて良かったなと思うことはありますか?

「やったことがある、という点で、他の人よりもアドバンテージがあるのは僕にとって大きいです。e-春風塾での経験があったおかげで、今でも情報オリンピックの予選を通過したり、パソコン甲子園に出場したりしています。活動自体はとても楽しんでできています。この『楽しんでやる』という意識を持って活動できているのは、e-春風塾のおかげだなと思いますね」

―「楽しんで学ぶ」というのはe-春風塾でもかなり大事にしている理念なので、それが実際の活動に生きているのは嬉しいです。最後に、将来や進路について考えていることがあれば教えてください。

「AI業界で起業したいです。そのために、3年生まで高専で学んで海外の大学へ進学して英語を学ぶか、5年まで高専で学んで、現場で経験を積むのも良いなと考えています。どちらにしてもスキルを身に着けて起業したい、という思いは変わらないので、どちらが良いか、これから勉強していく中で決めていく予定です。起業にあたって、開発の勉強もやってみたいですね」

―たくさんの学びの中で、自分にあった進路が見つかると良いですね。堀川さん、ありがとうございました!

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取材&記事制作 ゆずか記者(保坂柚花 九州大学文学部3年)

(取材日2025.9.27)

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