2024年12月15日、西日本新聞社メディア・ラボにて、小学生を対象としたプログラミング大会「プログラミングアドベンチャー2024西日本新聞社杯」が開催されました。大会は小学5〜6年生の部と小学3〜4年生の部の二部構成。今回は3〜4年生の部について、大会の様子をリポートしていきます。
今回の大会は「競技プログラミング大会」。作品を作る大会とは違い、コンピューターを使ってプログラ厶を書く速さや正確さを競う大会です。スクラッチと呼ばれるプログラミングソフトを使い、全47問を制限時間50分で解いていきます。終了時点での解けた問題数で競い、同数の場合はより速く解けた人の勝利。

様々なレベルの問題が用意されており、後半になればなるほど難しい知識を使って解く必要があります。第一問のチュートリアルを経て、早速大会がスタートしました。
問題の形式は、プレイヤーがスタート地点からすべてのマスを通ってゴールの階段まで進めるよう、プログラミングでルートを作成するというもの。1つの問題をクリアすると、次の問題に進むことができます。

とてもシンプルですが、プレイヤーが向いている方向が必ずしもマスがある方向と同じ方向を向いているわけではないことや、マスのショートカットをしてはいけないことなど、考慮しなければならないことは盛り沢山。また、ただ力技でブロックを積み上げれば良い…というわけではなく、より速く解けるよう、同じ指示でも出来るだけ短いプログラムを書く必要もあります。特に、同じ命令を何回か繰り返させるループを使ったプログラムや、ループの命令の中に更にループを作るという多重ループ、プレイヤーがいるマスの色や種類に応じて違う命令を出すことができる変数など、特殊な命令を出すことの出来るプログラムを如何に活用できるかが、時間内に多くの問題数を解くための鍵になります。更に、同じプログラムで複数の問題を解くこともできるので、それを見抜けるかどうかも大事なのだとか。ゴールまでの道筋を考え、それを実行するためにはどうすれば良いかを読み解く論理的思考が必要になると共に、プログラミング力も試されるようです。

大会が始まると、会場は一気に集中モードへ入っていきました。画面に釘付けになり、黙々と問題を解いていく選手たち。初めてスクラッチにふれる選手もいる中、スタッフにヘルプを求める声はほとんどなく、熱中して取り組んでいるのが伝わって来ました。思わず見ているこちら側も息を呑んでしまうような緊迫感。e-春風塾の塾生も負けじと脳をスパークさせ、次々に問題をクリアしていきます。それぞれの取り組み状況はリアルタイムでランキングに反映されており、抜きつ抜かれつの大接戦を繰り広げていました。
驚いたことに、開始30分が経過しても、選手達の顔にはほとんど疲れの色が見えませんでした。やる気に突き動かされて取り組んでいるのが分かります。画面の一部を手で隠して見るなど、見方を工夫して考えている姿も。もしかすると学校の授業よりも長い時間の大会にも関わらず、誰一人弱音を吐かず集中して問題に向き合う姿に、記者の私も感動しました。

50分の競技はあっという間に終了。直後には疲れや安堵による溜息が漏れる中、「あと10秒あれば!」と悔しがる声も。
結果発表を待つ間、選手に感想を聞くと、「途中までは順調だったけど、変数を使った問題が難しかった」と問題の内容を振り返ったり、「難しかったけど楽しかった」と笑顔を見せたりと、熱心に、かつ楽しんで取り組んでいたことがよく伝わって来ました。「途中から解いた問題数が同じくらいのライバルが出来て、結果的に負けてしまったのが悔しかった」など、大会中の心境を語ってくれた選手も。「この選手に負けたくない!」と互いを刺激し合えるのも、大会の良さであり醍醐味であるなと感じました。
待ちに待った結果発表。1位の選手のクリア数はなんと40問!5〜6年生の部に劣らない結果でした。2位の選手は37問、3位の選手は33問クリアと、最後の最後まで大接戦が繰り広げられていたようです。e-春風塾から出場した選手もトップ3にランクイン!これからの活躍に期待が高まります。
称賛の拍手と選手達の笑顔で幕を閉じた「プログラミングアドベンチャー2024西日本新聞社杯」。大会で使用された問題は、お家でスクラッチにログインすることで、大会の続きから解くことが出来るようです。
これから選手たちが力を伸ばし、また次回大会、またその先の未来で活躍する日が楽しみですね。選手の皆さん、お疲れ様でした!
取材&記事制作 ゆずか記者(保坂柚花 九州大学文学部2年)